太陽礼拝について
太陽礼拝について、聞いたことがあるけど具体的には何なのか、どうやるのかわからないという方が多いと思いますので、簡単にご紹介します。
太陽礼拝のポーズより~深い前屈~ |
太陽礼拝とは
ヨガの基本とも言われる「太陽礼拝」は”山のポーズ”や”下向きの犬のポーズ”などヨガの基本となる12のポーズを連続して取り、太陽への感謝と祈りを捧げる一連の動作のことを呼びます。
サンスクリット語では「スーリヤ・ナマスカーラ」(英語ではSun Salutation(サン・サルテーション))と言い、スーリヤは「太陽」をナマスカーラは「礼拝」を表します。ヨガレッスンには「パワーヨガ」や「フロー」と呼ばれるジャンルがありますが、これらの大元になっているのが「太陽礼拝」と言えます。
「感謝と祈りを捧げる」ことから分かるように、太陽礼拝はただのエクササイズではありません。カラダを動かしながら、自分の内側に目を向けて、ココロにも効能を作用させる働きがあり、その味わいは奥深いものです。
ぜひ一人でも多くの方に「太陽礼拝」の良さを知ってもらい、実践してもらいたいと願ってやみません。
連続した12のポーズ
12ものポーズを連続して行うと聞くと『なんだか覚えるの難しそう』という印象ですが、12のポーズの中には”山のポーズ”=気をつけ、”両手を上に挙げるポーズ”=バンザイなど簡単なものが多いですし、1番目のポーズから12番目のポーズまで1巡がざっと1分で終わります。ラジオ体操を覚えるよりも簡単かもしれません(太陽礼拝の具体的なやり方は動画投稿サイトで、わかりやすい解説動画がたくさんアップされていますので、「太陽礼拝」で検索してみてください)。
簡単なポーズが多いとは言いましたが、腕立伏せのような体力の必要な動作や立ったまま床に手がつくような柔軟性も求められます。そのいった場合は軽減法(やりやすくする方法)を選択することができます。その点も併せて解説されている動画がありますので、現時点でのご自身に合ったやり方を探してみてください。
通常は12のポーズ1巡を3回から5回繰り返します。繰り返すことで、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目の方が柔軟性が高まってくるのが分かったり、呼吸のしやすさが変わってきたりします。
初めはポーズや順番をこなして、3回、4回、5回と繰り返すのが精一杯ですが、慣れてくると単純な反復動作になってきます。そうなると、反復動作を繰り返すことで生まれる”ハイ”な感覚(最近の言い方だと”ゾーンに入る”)も得られるかもしれません。それと相反しますが、ココロが凪いで、アタマが整理されやすくなることも期待できます(個人差・状況差あります)。ココロが凪いで、アタマが整理と独特な言い方をしてしまいましたが、これはマインドリセットと言い換えても良いと思います。
「太陽礼拝」を5回繰り返すのに必要な時間は5分くらいです。わずか5分という短時間でマインドリセットができるのは非常に効率の良い手法ではないでしょうか。
また、調子が良ければ、6回、7回と繰り返してみてください。ただ、やたらに回数を増やせばよいということではありません。惰性で回数をこなしたり、回数を義務とすることは必要ありません。気持ちいいなと思ったら続ける、キツイ・気が散るような場合は無理せずやめる。ココロの声を聞いてあげて下さい。
呼吸についても意識を向ける
ポーズと動きを覚えながら、呼吸についても意識しましょう。ポーズを連続させるだけでなく呼吸について意識することでより集中できるようになります。
ヨガの呼吸法はいくつかあるのですが、初めは、”呼吸法”という難しそうなことは脇にい置いて「ゆっくり深く鼻から吸って、ゆっくり長く鼻から吐く」ことを意識することから始めましょう。
私もそうでしたが、多くの方にとってゆっくり呼吸することは難しいかもしれません。日常生活でゆっくり呼吸する場面が少ないので、ゆっくり、深く、長く呼吸するためのカラダの機能(”呼吸筋”なんて言葉もよく耳にしますよね)も衰えがちです。慣れてくると「呼吸を味わう」ような感覚が芽生えてきます。そうするといろいろな呼吸法にも興味が出てきて新しい学びに結びつきます。
太陽礼拝を行うときは「ウジャイ呼吸法」おススメですが、こちらについてはおいおいご紹介していくことにします。
太陽礼拝をすると何が良いの?
あくまで私見ですが、次のような短期的効用と長期的効用が期待できます。
【短期的効用】
・アタマがすっきりと冴える
・ココロが落ち着く
・深い呼吸をすることで心身をリラックスさせられる
・肩こりなどの愁訴軽減
・活力が湧いてくる
【長期的効用】
・ココロが整う(ゾーンに入ることができる)
・体力や柔軟性の向上
・呼吸機能の向上
・ストレス軽減による生活習慣の改善
・背筋が伸びて姿勢が良くなるなど見た目の改善
太陽礼拝はいつやるべき?
基本的には、朝食前に行います。ヨガ全般に言えることですが、食後2~3時間はヨガを避けるべき時間帯です。内臓に刺激を与えるポーズが多いことなどが理由に挙げられますが、特に「太陽礼拝」では立位前屈をしたり、手をついて下向きになったりするので、食後に行うには不向きですし、1日の活力を生み出すためには朝の、朝食前が良いでしょう。
ただ、朝は何かと忙しい方が多いと思いますので、昼休みに昼食を摂る前や寝る前など時間帯は生活リズムに合わせて調整しても構わないでしょう。まずは生活の取り入れやすい方法で「太陽礼拝」を続けてみてはどうでしょうか。
週何回やれば良いの?
初めのうちは週2回くらいでいいでしょう。なんでもそうですが、初めから張り切ると長続きしない原因になってしまいます。『週○回やるぞ!』と意気込むのではなく、週2回くらいから始めてゆっくり回数を増やしていくことが望ましいでしょう。目標を追いかけるあまり短期間で飽きてしまうのはもったいないです。細く(低頻度)て構いませんのでできるだけ長く続けることが「太陽礼拝」の良さをわかるコツでもあります。
「太陽礼拝」をすることにカラダやココロが慣れて来たら自然ともっと「太陽礼拝」をしたくなってくるはずです。そうなったらチャンスです。徐々に回数を増やしていってより深く「太陽礼拝」を味わってください。
「太陽礼拝」を毎日やりたくなるころには、体力やポーズに対して十分にカラダが慣れてきていると思われますので、体力や生活状況へ負担がないようなら、毎日やっても構いません。ここは積極的に休養日を設けるべきとする筋トレとは異なるところです。
太陽礼拝のポーズ~下向きの犬のポーズ~ |
太陽礼拝をするには何が必要なの?
「太陽礼拝」を始めるにあたって必要なものは
・畳1枚分の平らな床(自宅や公園などでも)
・動きやすい服装(ジャージでOK)
・ヨガマット(大きめのバスタオル等でも)
の3点です。
また、あれば便利なものとしては
・ポーズの順番を一目で確認できるもの
(ネットからダウンロードできます)
・発泡ウレタンのブロックや厚めの本や辞書
(ポーズの軽減法に使えるもの)
・動画撮影機材
(スマホでOK!動きや姿勢の確認、定期撮影することで上達具合がわかる)
の3点です。これらはあくまであれば便利ということですので、始めてから必要に応じて追加を検討してみてください。
太陽礼拝を習えるところはあるの?
「太陽礼拝」はヨガの一部ですので、ヨガスタジオでプログラムの中に組み込まれていることは多いのですが、「太陽礼拝」のみに特化してレッスンするプログラムは少数派です。ただ、オンラインレッスンの広がりもあり、探せば「太陽礼拝」だけを習えるプログラムも見つかるかもしれません。「太陽礼拝」は一種の型ですし、解説動画もたくさんありますので独学でも身に付けることは不可能ではありませんが、長年運動から離れていてカラダを動かすことに不安がある方や柔軟性に自信がないという方は、個人レッスンを検討してみても良いでしょう。近年は、ヨガの個人レッスンもオンラインを中心に受けやすい環境になっています。医師から運動について制限を受けている方は言うまでもなく、「太陽礼拝」を始める前に医師に十分に相談した上で行ってください。
まとめ
「太陽礼拝」は手軽にできるものですが、数多くのものを得ることができます。ただし、ヨガ全般の認知度が上がっているにも関わらず「太陽礼拝」はあまり注目されていないような気がします。始めるにあたってはいろいろと知っておいた方がより深く「太陽礼拝」を味わえるということで、今回の記事にしてみました。伝えたいことはまだまだあるので、今後も記事にしていくつもりですので、宜しくお願い致します。この記事を通して一人でも「太陽礼拝」の実践者が増えることを願っております。
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